「むし歯なんて少しくらい放っておいても大丈夫」と思っていませんか？

むし歯は進行性の病気であり、放置すると歯を失う原因にもなりかねません。

当院では重度のむし歯患者様を治療することもありますが、早期発見・早期治療を怠った結果、治療期間も長くなり費用もかかってしまいます。

この記事では、むし歯の進行段階を詳しく解説します。

むし歯の進行段階（C0～C4）

むし歯は、進行度合いによってC0からC4までの5段階に分類されます。

 

C0（初期のむし歯）

歯の表面のエナメル質がわずかに溶け始めた状態。白く濁って見えたり、光沢がなくなったりします。痛みなどの自覚症状はほとんどありません。

フッ素塗布や丁寧な歯磨きで進行を抑制することが可能です。場合によっては、経過観察となります。この段階であれば、歯を削る必要はありません。

C0のむし歯はご自身で認識するのは難しいです。ただ、歯科医院ではチェックすることが可能です。

定期的に歯科医院を受診することで多くのむし歯がこの段階で抑制することが出来ます。

 

C1（エナメル質のむし歯）

エナメル質に小さな穴が開いた状態。冷たいものや甘いものがしみる程度の症状が現れることがあります。

COと同様、フッ素塗布や丁寧な歯磨きで進行を抑制することが可能です。

場合によっては、むし歯の部分を削り、歯科用プラスチック（コンポジットレジン）などの詰め物で修復します。比較的簡単な治療で済みます。

 

C2（象牙質のむし歯）

むし歯がエナメル質の下の象牙質まで進行した状態。冷たいものだけでなく、温かいものや食べ物が挟まった時にも痛みを感じるようになります。

むし歯の部分を削り、詰め物（レジン・インレー）または被せ物（クラウン）で修復します。C1よりも削る範囲が広くなるため、治療時間も長くなります。

 

C3（神経まで達したむし歯）

むし歯が神経（歯髄）まで達した状態。激しい痛みを感じることが多く、何もしていなくてもズキズキと痛むことがあります。

根管治療が必要となります。むし歯に感染した神経を取り除き、根管内を清掃・消毒した後、薬剤を詰めて密閉します。その後、被せ物（クラウン）で歯全体を覆って保護します。

場合によっては神経を除去しなければいけません。神経を除去してしまうと歯は弱りやすくなるためなるべくC3に到達する前にむし歯治療をされるのが理想です。

 

C4（歯の根まで達したむし歯）

歯の大部分が崩壊し、根の部分だけが残った状態。

神経が死んでしまっているため痛みを感じないこともありますが、周囲の組織に炎症が広がると再び痛みが出ることがあります。

抜歯となる可能性が高いです。抜歯後には、入れ歯などの治療が必要となります。

またこの状態だと隣の歯にも影響を及ぼしている可能性があります。

複数の歯の治療になると治療期間も長くなってしまいます。

 

むし歯の進行を早める要因

不十分な歯磨き

歯垢（プラーク）が十分に除去できていないと、むし歯菌が繁殖しやすくなります。

糖分の過剰摂取

糖分はむし歯菌の栄養源となるため、摂りすぎるとむし歯のリスクが高まります。

間食の回数が多い

食事の回数が多いほど、口の中が酸性になる時間が長くなり、むし歯が進行しやすくなります。

唾液の分泌量が少ない

唾液には口の中を中性に戻す作用や、細菌の繁殖を抑える作用があります。唾液の分泌量が少ないと、むし歯になりやすくなります。

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むし歯は早期発見・早期治療が非常に重要です。

痛みが出てからでは、治療に時間も費用もかかってしまいます。日頃から適切なケアを行い、定期的に歯科検診を受けることで、むし歯を予防し、大切な歯を守りましょう。

少しでも気になることがあれば、早めに歯科医院を受診することをおすすめします。